ライトノベルで学ぶ英語:Amazon.comで買うおすすめの十冊
イントロ:
英語を第一言語にしている日本企業もある今日この頃、皆様におかれましては、またもや中学生以来とりつかれている強迫観念(今年こそは英語を何とかしなくっちゃ!)をあらたにしている日々ではないでしょうか。
課題:
そうやって文字通り仕事のためにビジネス英会話を学ぶのも良いですが、やっぱり頭が疲れてしまいます。
「sendでなくshareを使おう」「ここはscheduleでなくoutlookを使うか」などと細かいことを考えているとなおさらです。
解決:
はてなーの皆様に置かれましてはマンガ好きな方が一定数おられることも踏まえまして、英語の勉強にラノベを速読するのもいいんじゃないかあ、とおもいました。
This work:
以下に、takyのおすすめの英語ライトノベルをおすすめするよ!
全部Amazon.comで買える手頃なものばかりだ。
そうそう。書影は基本的に『日』『英』の順番でならんでるよん。
では、どうぞー。
狼と香辛料(Spice and Wolf)
行商人ロレンスは、麦の束に埋もれ馬車の荷台で眠る少女を見つける。少女は狼の耳と尻尾を有した美しい娘で、自らを豊作を司る神ホロと名乗った。「わっちは神と呼ばれていたがよ。わっちゃあホロ以外の何者でもない」老獪な話術を巧みに操るホロに翻弄されるロレンス。しかし彼女が本当に豊穣の狼神なのか半信半疑ながらも、ホロと共に旅をすることを了承した。そんな二人旅に思いがけない儲け話が舞い込んでくる。近い将来、ある銀貨が値上がりするという噂。疑いながらもロレンスはその儲け話に乗るのだが―。第12回電撃小説大賞“銀賞”受賞作。
2回にわたりアニメ化もされた人気シリーズ。剣と魔法でなく、金貨と契約書で道を切り開くロレンスはカッコいいですよね。基本ヘタレなところも、ホロと甘甘なのもゆるせるってもんです。
英語版のカバーはなかなかに渋い感じ。Wolf-God Holo の可愛さを英語で感じられれば、貴方も英語マスターに一歩近づいていることでしょう。
“文学少女”と死にたがりの道化(Book Girl and the Suicidal Mime)
「どうかあたしの恋を叶えてください!」何故か文芸部に持ち込まれた依頼。それは、単なる恋文の代筆のはずだったが…。物語を食べちゃうくらい深く愛している“文学少女”天野遠子と、平穏と平凡を愛する、今はただの男子高校生、井上心葉。ふたりの前に紡ぎ出されたのは、人間の心が分からない、孤独な“お化け”の嘆きと絶望の物語だった―。野村美月が贈る新味、口溶け軽めでちょっぴりビターな、ミステリアス学園コメディ、開幕。
劇場版も人気を博した”文学少女”シリーズ。これまた英語版のカバーが渋い。このおはなしは毎回、有名な古典小説をモチーフとして展開するので、興味が湧いたら元ネタ作品にもチャレンジしてみては?
クビキリサイクル 青色サヴァンと戯言遣い(Zaregoto: The Kubikiri Cycle)
絶海の孤島に隠れ棲む財閥令嬢が“科学・絵画・料理・占術・工学”、五人の「天才」女性を招待した瞬間、“孤島×密室×首なし死体”の連鎖がスタートする!工学の天才美少女、「青色サヴァン」こと玖渚友とその冴えない友人、「戯言遣い」いーちゃんは、「天才」の凶行を“証明終了”できるのか?新青春エンタの傑作、ここに誕生!第23回メフィスト賞受賞作。
いまや押しも押されぬ人気作家になった「京都の20歳」(当時)西尾維新のデビュー作。一応、新本格ミステリの影響(特に森博嗣と京極夏彦、清涼院流水)のもとに書かれていますが、本質は今と変わらぬ戯言ずくし。英語の戯言はひと味違う。
GOSICK-ゴシック(GOSICK)
聖マルグリット学園の図書館塔の上の上、緑に覆われたその部屋で、妖精のような少女―ヴィクトリカは待っている。自らの退屈を満たしてくれるような、世界の混沌を―。その少女は語るのだ。パイプをくゆらせながら。「混沌の欠片を再構成しよう」そして、たちどころにそのどんな謎をも暴く…いや、〈言語化〉してしまうのだ…という。西欧の小国・ソヴュールに留学した少年・久城一弥。彼はふとしたことから知り合った少女・ヴィクトリカとともに、郊外に住む占い師殺人の謎に挑む。しかし、それはある大きな謎の欠片でしかなかった。囚われの姫と、彼女を護る死に神が、幽霊の現われる呪われた船の謎に挑む。白と黒の物語の幕が今、開きます。
いつの間にか直木賞までとっていた桜庭一樹の人気シリーズ。というか、富士見ミステリー文庫をひとりで支えていました。現在では美麗なイラストが収録された富士見ミステリー文庫版を手に入れるのは難しいが、角川文庫版でも話の面白さには代わりがない。英語版だとアブリル(イギリスからの留学生)の喋り方がリアルで面白いです。
All You Need Is Kill(All You Need Is Kill)
「出撃なんて、実力試験みたいなもんじゃない?」敵弾が体を貫いた瞬間、キリヤ・ケイジは出撃前日に戻っていた。トーキョーのはるか南方、コトイウシと呼ばれる島の激戦区。寄せ集め部隊は敗北必至の激戦を繰り返す。出撃。戦死。出撃。戦死―死すら日常になる毎日。ループが百五十八回を数えたとき、煙たなびく戦場でケイジはひとりの女性と再会する…。期待の新鋭が放つ、切なく不思議なSFアクション。はたして、絶望的な戦況を覆し、まだ見ぬ明日へ脱出することはできるのか。
読むとガンパレード・マーチ(ゲーム)を思い出す。無限コンティニューの世界でのラブストーリー。SFの体裁をとりながら、ゼロ年代のひりつく空気感を結晶させたような佳作。めずらしく、英語版と日本語版でカバーがほとんど一緒である。
星界の紋章(Seikai: Crest of the Stars)
惑星マーティンの平和は突如襲来した宇宙艦隊によって破られた。侵略者の名はアーヴ、遺伝子改造によって宇宙空間に適応した人類の子孫だという。彼らの強大な軍事力の前に全面降伏の道を選んだ惑星政府主席の決断は、その幼い息子ジントの将来を大きく変えた―運命のいたずらでアーヴの星間帝国の貴族となった少年の冒険行を、SFマインドあふれる設定と、息もつがせぬストーリーで描いた気鋭のスペースオペラ超大作。
アニメ化もされた人気作品。アブリアル・ネイ=ドゥブレスク・パリューニュ子爵・ラフィール殿下のツンデレ(実はあまりデレないが)に傾いた人も多いと聞く。SF考証もしっかりとしており(ハヤカワだしね)、スペースオペラとして十全に楽しめる。欠点は作者が寡作ゆえ、続刊が出ないこと。英語版でも読みなおして、アーヴの世界を堪能し直そう。
十二国記 月の影 影の海(Twelve Kingdoms: Sea of Shadow)
「あなたは私の主、お迎えにまいりました」学校に、ケイキと名のる男が突然、現われて、陽子を連れ去った。海に映る月の光をくぐりぬけ、辿りついたところは、地図にない国。そして、ここで陽子を待ちうけていたのは、のどかな風景とは裏腹に、闇から躍りでる異形の獣たちとの戦いだった。「なぜ、あたしをここへ連れてきたの?」陽子を異界へ喚んだのは誰なのか?帰るあてもない陽子の孤独な旅が、いま始まる。
「もしも死なないラインハルト(名君)がいたら……」という作者の思いつきから始まった超人気シリーズ。第一巻である『月の影 影の海』では、異世界の描写と共に、主人公・洋子の成長が書かれる。前半の長い溜めも効き、最終節の爽快感は圧巻。日本語ホワイトハート文庫版は山田章博の美麗イラストで彩られている。英語版の表紙は、なんかナウシカっぽい。
灼眼のシャナ(Shakugan no Shana: The Girl With Fire in Her Eyes)
新学期が始まったばかりの高校生・坂井悠二は、いつものように“日常”を生活していた。だが、彼はある日突然、“非日常”に襲われる。人の存在を灯に変え、その灯を吸い取る謎の男、フリアグネに襲われたのだ。悠二の“日常”生活は壊れた。しかし同時に、彼の前に一人の少女が現れた。少女はフリアグネから悠二を護るため、悠二のそばで生活を始める。悠二は感謝を込めて御礼を言うが、少女はこう呟く。「おまえは、もう『存在していない』のよ」自分はすでに死んでいる!? 存在亡き者、悠二が考え、思うこととは…!?奇才・高橋弥七郎が贈る、奇妙な学園ストーリー。
何度もアニメ化された人気シリーズ。『炎髪灼眼』シャナと悠二の絆の物語。あ、あとで吉田さんも絡んできます。このシリーズは主人公のみならず脇役(佐藤・田中などなど)も良い味を出しているのが楽しい。もし英語版でもシャナの声が釘宮ボイスになったら、すでに結構な読解力ですよ!
涼宮ハルヒの憂鬱(The Melancholy of Haruhi Suzumiya)
「ただの人間には興味ありません。この中に宇宙人、未来人、超能力者がいたら、あたしのところに来なさい。以上」。入学早々、ぶっ飛んだ挨拶をかましてくれた涼宮ハルヒ。そんなSF小説じゃあるまいし…と誰でも思うよな。俺も思ったよ。だけどハルヒは心の底から真剣だったんだ。それに気づいたときには俺の日常は、もうすでに超常になっていた―。第8回スニーカー大賞大賞受賞作。
今更説明するのもなんですが、京都アニメーションによるアニメ化で、一躍有名になったこのシリーズ。もともと谷川流は『電撃!! イージス5』『学校を出よう!』などメタ要素が強い作品を書いてきたが、そのメタが一周して、一見普通の作品になっているのが特徴な気がする。英語版のカバーデザインが渋い。『ノルウェイの森』みたいだ。でも表紙が変わっても、ハルヒ節は健在ですよ。"I have no interest in ordinary humans. If there are any aliens, time travelers, sliders, or espers here, come joint me. That is all."
ブギーポップは笑わない(Boogiepop And Others)
君には夢があるかい? 残念ながら、ぼくにはそんなものはない。でもこの物語に出てくる少年少女達は、みんなそれなりに願いを持って、それが叶えられずウジウジしたり、あるいは完全に開き直って目標に突き進んだり、まだ自分の望みというのがなんなのかわからなかったり、叶うはずのない願いと知っていたり、その姿勢の無意識の前向きさで知らずに他人に勇気を与えたりしている。これはバラバラな話だ。かなり不気味で、少し悲しい話だ。―え?ぼくかい?ぼくの名は “ブギーポップ”―。第4回ゲーム小説大賞「大賞」受賞。上遠野浩平が書き下ろす、一つの奇径な事件と、五つの奇妙な物語。
ラストを飾るのは、今のライトノベルの源流・ビックバンの最初の一撃『ブギーポップは笑わない』。発表は1995年。白地にあっさりめのキャラ絵、学園と異能など、90年代後半-00年代前半ライトノベルの雛形となった。もう15年も前の作品だが、構成・セリフ回しなどに古びたところがないのが凄い。もってまわった言い回しと「左右非対称の」笑顔が十八番のブギーだが、英語版ではちょっと雰囲気が異なる。作品自体が90年代後半の日本の空気感を濃密に書き出したものであるがゆえに、他国語で読む面白さがあるといえよう。
いかがでしょうか。
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