四畳半神話大系

大学三回生の春までの二年間を思い返してみて、実益のあることなど何一つしていないことを断言しておこう。

異性との健全な交際、学問への精進、肉体の鍛錬など、社会的有為の人材となるための布石の数々をことごとく外し、異性からの孤立、学問の放棄、肉体の衰弱化などの打たんでも良い布石を狙い済まして打ちまくってきたのは、なにゆえであるか。責任者に問いただす必要がある。責任者はどこか。
   森見 登美彦, 四畳半神話大系