novel 1/183

"I wish I were a bird, I would fly to you."
英語の授業で、ティーチャー・アリガがこの例文をクラス全員に復唱させたことを、僕は鮮明に覚えている。そのとき僕は14歳で、ケンとジニーが仲良く、これはペンで、僕はニューヨークからきて、それはオレンジかリンゴのどっち? と平和にやっている世界に生きていたから、唐突にそんな夢みたいな例文を出されて、かなり混乱した。

それから7年たって、僕は先輩に酒を必要以上に飲まされて、一緒にいたアホな女(先輩の彼女だ)にポカリを無理やりがぶ飲みさせられ、アセトアルデヒドを体中にくまなく循環させていた。気持ち悪い。吐きそう。吐いた。胃液でのどが痛い。アイうぃっしゅ。アイワぁ、バード。くそったれ。携帯を出して時間を見る。電池が切れていた。酔ってどこかへ駆け出していった先輩に、電話をかけすぎたせいだ。アイワァバード。また吐いた。あー。立っていられない。

「(未設定台詞)

  • to be continued.