疾風怒濤な若き科学技術者の苦悩(ネタだと良いな)


全ては無駄であった


あらゆる実験もあらゆる納期も無駄だった
果てしなく続いた徹夜も渇きも無駄だった


しかも我々が失職の不安に襲われながらなお義務を果たしたあの学会も無駄だった


その時倒れた幾万のエンジニアたちも無駄だった
祖国を信じて科学技術に身を捧げた幾万の人々


こんな事の為に我々は科学者になったのであろうか


こんな事の為に28歳の青年は研究室の床に埋もれたのだろうか




その後数日にして私は自己の運命を自覚するに至った
私は政治家になろうと決意した


――我が科学闘争 より