自由落下の自由さについて

早朝、飛行機に乗る。
窓の外に広がる雲海を眺める。

なるべく頭を空っぽにして目を閉じる。

低血圧気味の体は軽い貧血を起こし、
すっと倒れこむような落下感を覚える。

瞼の裏に残る空の残像が錯覚を生み、
空をどこまでも落ちていくような不思議な気分になる。


ずっとずっと無限に落ちていく。