エクセルシオール#12

外は真夏日の今日に四畳半の冷房がギンギンに効いた部屋でジーンズに柄のシャツを引っ掛けて二世代前のiMacネットラジオを聴きつつロイヤルコペンハーゲンの紅茶を真面目に洗っていなかったせいで曇りが出てきたターコイズブルーのウエッジウッドで飲みながら良く削られた三菱鉛筆で薄黄色の中性紙のノートに量子力学の計算を書き下したらふと思ったんだ。


うるおいが足りないな、と。


思ったものの、実のところどうすればうるおいが足りるようになるか良くわからない。仕方ないので目をつぶって、少し考えてみる。
うるおい、うるおい、うるおい。
……思いつかない。それに、目をつぶったら、なんだか眠くなってきた。
眠いなあ。うるおいうるおい。
そういや、このあいだテレビでやっていたスターウォーズの出来の悪いほうの三部作の一番最初(ジャージャー・ビンクスが出てくるやつ)にでてきた女王……。アミダラだ。あの顔もうるおいが足りなかった。変なメイクをされて、ナタリー・ポートマンも可愛そうだよな……。
そういえば、スターウォーズにはなんとなくうるおいがあるような気がしてきたな。気のせいかもしれないが。なんとなく。
なんだろ。冒険かな。あとライトセイバー
冒険と恋だな。うん。
エピソード2のラブシーンはひどいものだったが。まるでキムタクの演技のようにひどかった。
しかしまあ、細かいことには目をつぶろう。
結論としては、たぶん、うるおいを与えるのは、冒険と恋だ。
明日からこの二つを探しにいこう。


ボクはそう決意して、さっそく惑星エンドアの宇宙港に向かった。