novel 9/183

インスタント・メッセンジャーに現れた、見知らぬ訪問者。普段だったら即座に拒否リストに載せるところだろう。しかし、例の事件で少々疲れていた私は、突然の訪問者で遊んでみることにした。ろくでもないことだが。
[02:09:31] SE.neca:
こんばんは。
[02:09:59] K.Sany:
こんばんはー。
[02:10:36] K.Sany:
SEさん？ システムエンジニア？
[02:10:45] SE.neca:
いえいえｗ　ちがいますー。
[02:10:53] K.Sany:
ちょっと質問していいかな？
[02:11:04] SE.neca:
どうぞどうぞーｗ
[02:11:09] K.Sany:
名前、なんて読むの？
[02:11:17] SE.neca:
セネカ。
[02:11:30] K.Sany:
OK。では……、四条橋をテーマに、詩をひとつ。
[02:12:04] SE.neca:
え。四条橋？
[02:12:28] SE.neca:
すいません。詩はちょっと……。
[02:12:45] K.Sany:
ではつぎ〜。34957と70764を足すと？
[02:12:46] SE.neca:
105621
[02:13:14] K.Sany:
はやっｗ。次はチェスの問題を。
[02:13:34] K.Sany:
「私のキングは K1 にあり、それ以外に駒はありません。あなたの駒はキングが K6、ルークがR1にあるだけです。あなたの番ならどう打ちますか？」
[02:13:35] SE.neca:
R-R8。チェックメイト。
[02:13:59] K.Sany:
えーと。天才児ですか。貴方。1秒って……。
[02:14:20] SE.neca:
で、わかりました？
[02:14:47] K.Sany:
なにを？
[02:15:20] SE.neca:
私が人間かどうか。
[02:15:53] K.Sany:
……ばれてましたか。
[02:16:09] K.Sany:
すみません……。
[02:16:30] SE.neca:
いえいえ。で、答えは？
[02:16:53] K.Sany:
貴方は人間です。
[02:17:23] SE.neca:
おや、まあ（微笑）
[02:17:25] SE.neca:
ハズレ。