オバマと堕落論
オバマの演説は、綺麗ごとで、空疎で、具体的な事はなにも言っていなく、詐欺的である*1。
しかし日本の定額給付金の議論(にもなっていないように見えるが)を聞いていると、
綺麗ごとで、空疎で、具体的な事はなにも言っていなく、詐欺的であるのも悪くはないな、とも思ってしまいますよ。
少なくとも、綺麗ごとは人に未来の明るさを信じさせるし、空疎さは自身でそれを現実化させようという気を起こさせるし、具体的な事がないから間口がひろいし、詐欺的なまでの言葉は人の精神を高揚させ、シニカルな冷笑がなりを潜める。
人は何もしなくても未来へ運ばれていくけれど(時間は一方通行だ)、その流れの中でもあえて歩こうという力を我々に与えてくれる。
それは錯覚だが、錯覚が欲しいときもある。
ある種の人間はまだまだ、ポストモダン的に生きるために生きるより、なんらかの美しい物語に身を寄せて暮らしていきたいものなのです。
しかし比較対象があると、日本の現実的(というか生活的?)な面がくっきりと現れますね。
『堕落論』があった国となかった国ということでしょうか・・・。