テイクオフ・トライアングラー
「なるほど、それはもっともです。
ですが、話すといっても何を?」
「なんでもいいよ。
話題がない時は自分の素性とか趣味とかネタにするといい。自分が何者かを示すのは会話の基本、だぜ」
先日カラオケにいって、ナツメロ(ミスチル、スピッツ、ラルク、B'z、エレファントカシマシ……。あとHide)を歌いながら、最近の歌と昔の歌の違いについて考えていた。
- 最近の歌: after 2006
- 昔の歌: 1994-2000?
印象論で思ったのは、昔の歌は「飛び出し」「待つのをやめ」「心の叫びを信じて」「普通から脱出」したり「今宵も愛を探しに」いくことを主張している。逆に言えば、この時代にはこれらのことが――普通でないことが――困難な時代だったのだろう。
それにくらべて、現在の歌はもっと現状肯定的である。「君は君のままで」「友達はサイコー」で「地元はよいとこ」「君の可能性を信じて」よいのだと訴える。普通大皇帝、もとい大肯定である。対句を使うと、現代は「普通であること」が困難だからこそ、このようなメッセージが語られるのだ……。
とまとめることもできるけど、単純に「普通人」という本来はないものとの距離で苦しむという思春期にはありがちな現象という意味で、同じことですね。