君と僕の壊れた世界。

ユリイカ西尾維新特集号を読み終わり、
サークルの先輩の
http://ogalinogalin.moe-nifty.com/weblog/2004/10/post_8.html
とかを眺めつつ、つらつらと。

うーむ。なんというか。むかし大塚英志が洒落っ気半分、ニュータイプ的自負半分で言っていた、「ヴァーチャルのほうが僕らにとってリアルなんだ」系の議論を実践してみました、という本です。たぶん。著者が自ら「セカイ系の入門書として書いた」と言ってますし。

というか、大塚やら東浩紀の言説も、要するにそれ自体がフィクション扱いなので、それのオマージュということなんでしょう。

物語単品としては、そういったヴァーチャルと世間が言ってるものを過剰に押し出して、過剰に嘘っぽく(前のヴァーチャルがリアルという言辞と矛盾してる気がしますが、我々はまだ過渡期なので、ヴァーチャルがリアルだけど、やっぱり嘘だよな、という虚構はできれば壊したくない、という心中の思いというか、議論の上での「お約束」があるのです)して、でもまあ、ちょっとした端々でリアルっぽさを演出してみせる、これってかっこよくない?、なんか新しいって、年寄りの評論家は言いそうじゃない?、という遊戯的感覚。

ここまでポップな本はあまりないので、(保坂、のばら、大槻なんかは昔からそうだけど、まあ、今は忘れて)貴重に面白いと思うのですが。ブギーでスプーキーなポップ文章です。音楽で言ったら、うん、ビーチボーイズ