本日一方

銀行に行って、大学の入学金振り込みと、授業料支払いの手続きをしてくる。

いろいろ調べたが、授業料免除の対象にはならなそうだ。残念。
同時に、ピケティいわく、日本では年収570万円以上なら、所得上位10%だという話を思い出す。関連は特にはないが…


帰りに、新宿の伊勢丹に寄って財布を買う。


世は全て事もなし。

本日一報:風立ちぬ

昨日、テレビで宮崎駿風立ちぬ』が放送されていたっぽい。この宮崎駿の遺言じみた映画、僕は結構好きで、見返すと、たいてい涙ぐんでしまう。それはきっと、あの映画で描かれている「美しさへの憧れ」が、僕の中にも僅かながら流れているからであろう。例えば、世界のすべてについての美しい理論(ToE)がこの手に掴めたならば、その瞬間に死ぬのはまったく惜しくはない、とごく自然に思えてしまう感性。人間の感性がどうやって形作られるのか、それは良くわからない。きっと半分が初期条件、半分が成長過程のバイアス、もしくはほとんど全部が乱数による偶然なのかもしれない。でも、ある程度成長した後の人間を観察すると、各々の人間が、各自の起源衝動としか言いようのないなにかを抱えているように見える。この映画は、宮崎駿の起源衝動と少しでも重なるところのある人間(たぶん、役者や、漫画書きや、物理屋なんかに多いのじゃあないだろうか)にとっては、文字通り刺さる映画だ。


あの映画には印象的なシーンがいくつもある。例えば、堀越が同僚と自主研究会を開いて白熱しているのを上司がチラと見て一言ポツリともらすシーン。あそこは、感動する。それは多分、エンジニアとしての自分の理想を体現しているからだろう。そしてまた、肺病を患う恋人の前で煙草を吸って仕事をするシーン。ほとんど教科書的なまでにこの映画のテーマを示している。そして最後、二郎が死んだ恋人の幻影に「貴方は生きて」と言われた後、カプローニが「君は生きねばならん。が、その前に、寄っていかないか?良いワインがあるんだ」と語るシーン。なんたる白眉! ほとんど何でもないこの台詞だけれど、恋人と戦闘機に呪われた二郎と、そして映画をここまで見てきた観客が、この一言で、僅かながら救われるのだ。「生きて」と呪われるよりも、軽く洒脱に、そしてより深く。



「創造的な人生の持ち時間は10年だ。設計家も芸術家も同じだ。君の10年を力を尽くして生きなさい」これもまた、劇中のカプローニの台詞。そして、こちらは残酷な台詞。そこでふと、僕がまだ本当に若かった頃、周りの人間が色々悩んで、僕も悩んでいたことを思いだす。ちょうど、大学か大学院に居た頃の話だ。世にいろいろな観点があるが、多少なりとも美しい学問(物理学とか、数学とか)を修めようとすると、この社会では基本的に就職先がない。いきなり下世話な話だが... 一般企業は取りたがらないし、研究職は任期制で不安定だし、大学のパーマネントの職は少子化の影響で右肩下がりだ。そこでみな、いろいろ悩む。美しさか、喰うことか。そんなとき、ふと思いついた解法があり、当時の私には、それはもの凄く秀逸で、冴えたやり方に感じられた。なに、簡単なことだ。10年、齢30歳まで、美しい学問をやり、なにか素晴らしいモノを生み出せたら、まあ喰うには困らぬであろう。もし、それが出来なかったら、そのときはそこで死ねば良いだけだ、と。実に甘美な考えであった。実際のところ... 甘美な美しさはすぐに終わり、しかし終わった後ですら、人は生きることを試みなければならないのだけれど。Le vent se lève, il faut tenter de vivre.

本日一報

  • 自己認識と他者の評価には大きな隔たりがあるなあと感じ入る
  • 恐ろしくレベルの低い仕事を返してきて平然としている人や、自分のプライドと構ってもらいたい願望を満足させるために他人の時間を浪費させるおっさん、良くいるよなあ。そういう辛さが、私の周りには多い。
  • 「この世界のとびっきりの秘密を教えてあげる。あなた以外に、あなたを止められる人なんて、いやしないのよ」というような台詞が蓬莱学園(古いPBMゲーム)にある。ナイーブだけど、たぶん正しい言葉。自由に行動する者のみが、自由である。
  • 「いいか朝比奈、この世界には絶対に変えることのできない根本的な法則がある。それは、全ての事象は悪化するという法則だ。陽子は崩壊し、熱は拡散し、生命は消滅し、環境は破壊され、麻薬がはびこり、悪徳政治家は法の網を潜り抜け、貧困は地上に蔓延し、離婚と犯罪は増加の一途をたどり戦争と内乱は軍需産業を潤し、無実の博愛主義者は獄死し、朝食の食パンはマーガリンをぬった側が下になって床に落ちるのだ。これは万古不変の真理だ!」by ベアトリス香沼
  • 最近学んだことは、宣伝は慎重にやらないといけない、ということだ。下手に宣伝すると、馬鹿が紛れ込んで全てを台無しにしてしまう。そして、馬鹿は本当に、マジで、どこにでもいて、簡単に侵入してくるものだ。これは、自分が馬鹿であることと同じくらい、確かなことだ。
  • 気をつけろ。君もまもなく、運命に追いつかれる。
  • 「よく知らないので教えて欲しいのですが」訳:発表者より詳しい
  • 仕事は「それが好きか?」「それが得意か?」「世界に必要か?」「お金を払ってもらえるか?」の全てにYesなものを選ぶと良い。
  • この国に生きていると、物事を「自分の手で変えられる」という意識を維持することは、ほとんど不可能である。

本日一報

よく「欧米」などとひとくくりにされるが、欧州が「テクノロジーに対するサイエンスの優位性」を指向する世界なのに対して、アメリカは「サイエンスに対するテクノロジーの優位性」を示す世界。まったく違うと思う。

MicrosoftがRを買収

MicrosoftがRevolution Analytics(Rで有名な会社)を買収してる。びっくりだけど、MSの中の人も結構大変なんでしょう。Windows/Officeの次のヒット商品がないから...
http://blog.revolutionanalytics.com/2015/01/revolution-acquired.html